堕落ディザイアー

映画ブログ/音楽ブログ/音楽活動報告ブログです 好きなカテゴリでお楽しみください

本当に夜電気を消せなくなります 『ライト/オフ』 感想

ライト/オフ(字幕版)

※予告編もかなりビビらせてくるので苦手な方は閲覧注意です。

 

2016年のホラー映画です。日本でもけっこう大掛かりに宣伝されてたので名前は聞いたことがある方も多いと思います。

 

暗闇の中でだけ姿が見える悪霊のようなものに襲われる家族を描いたお話です。精神不安定気味でどうやら悪霊騒ぎの元凶らしい母親、そのママと二人暮らしで巻き添え的に悪霊に怯える幼い息子、そしてそんな母に嫌気が差して家を出て久しい姉が中心的な登場人物です。あと姉の彼氏っぽいチャラいバンドマンも。

 

 

 

予告編では「電気を消した部屋に何かいる、と思って電気を点けるといない。消すと、いる。点けると、いない。消すと、いきなり目の前に…」みたいな演出が印象的でした。

 

確かにこの宣伝シーンに恥じることのない驚かせ系恐怖演出のオンパレードでした。驚かせ系ホラーを「でかい音でビビらせるだけの誰でもできるクソ映画」みたいに言えば映画通みたいな風潮がありますが、見せ方やタイミング・シチュエーションをしっかりと練って計画された丁寧な驚かせ演出はちゃんと怖くなると再確認させられます。

 

なんとか明かりを確保して安全を保とうとする人間側と、その光の隙を縫うように襲ってくる霊との攻防や怖さや驚きを通り越して「ああ〜なるほどその手があったか」と関心してしまう場面もありました。「暗いところだけで動ける」という霊の特性を最大限に活かそうとする見せ方・アイデアが豊富です。

 

「暗闇=怖い」という本能に刷り込まれた感覚を最大限に刺激してきます。シンプルに怖いです。普通に夢に出てきました。家でも電気のついてない部屋の中とか明かりの死角になる場所とかつい見てしまいます。寝るときに電気を消すのが少しためらわれます。

 

 

 

霊のアイデアや演出に加えていい味を出してたのが主人公たち姉弟の母親です。一見気弱で神経質そうなお母さんですが、言葉の端々に見える正気じゃない感じが映画の不気味な雰囲気を引き立ててます。

 

そして意外と重要人物なのが姉の彼氏的なチャラいバンドマン・ブレッドです。序盤になんとな〜く登場して主人公(姉)の付き添いみたいな感じで話になんとな〜く関わって、クライマックスの攻防までなんやかんやで巻き込まれることになる不憫な人物です。初登場時は絶対30秒くらいで出番終わって退場するモブだと思ったらまさかのメインキャラクターでした。どこまでもいい奴だし作中では1番好きです。

 

 

 

作品の一番の売りはあの手この手で次々に襲ってくる霊の恐怖演出ですが、出だしから画面内を支配する不穏で嫌な空気感も見所の一つです。

 

なんか嫌な感じがして後ろを確認してしまうような、無防備に放り出した足先をクッションの下に隠したくなるような不安感が作中にずっと漂っていました。驚かせる演出の物量だけでなく、ホラー映画としての質感もしっかりと見せてきます。

 

 

 

ちなみにこの作品、元は3分弱のショートムービーだそうです。

www.youtube.com

 

やっぱりこっちでも「消すといる、点けるといない、また消すとやっぱりいる」という見せ方がメインですね。見る人の関心を掴むナイスな演出だと思います。このショートフィルムが大きな賞をとったらしく、『ソウ』なんかの製作者の目に止まって映画化に至ったそうです。

 

しかも監督はショートフィルムの作者本人。女優の奥さんも映画化の本編に出演してます。無名のインディーズ映像監督からアメリカで興行収入数千万ドルの人気作監督へ。夢のある話ですね。

 

www.youtube.com

 

このショートフィルムの作者さんは他にもYoutubeで短編ホラーをたくさんアップされてますが、どれもワンアイデアが光って面白いです。世にも奇妙な物語に近いセンスです。自宅で奥さんを女優に撮ってるのか同じ女性が同じ家で色々な怪現象に襲われていて少し微笑ましさもあります。

 

 

 

話は戻って本作『ライト/オフ』ですが、好評につき続編制作が決定しているそうです。製作費500万ドルで全米興収6000万ドル超えですからそりゃあGOサインも出るでしょう。意外な人物が意外な行動で決着をつけたあのラストからどんな風に話を続けるのか、または別の舞台で別の人物に視点を置いて話を作るのか、今から楽しみです。

 

81分の短い作品だし友だち同士やカップルでキャーキャー言いながら見るのにも向いてる映画だと思います。もちろん夜暗い部屋で一人ヘッドホンを付けて見るのも最大限に怖くて面白いと思いますよ。

www.youtube.com