堕落ディザイアー

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皮肉たっぷりに踊るギターボカロック はるふり

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はるふりさんというボカロPさんが好きです。正確にはボーカロイドではなく、ボカロのように合成音声を編集するUTAUというソフトを主に使ってらっしゃるUTAUPさんですね。重音テトはUTAU界の初音ミクのような代表格です。この重音テト歌唱の『右に曲ガール』という素敵タイトルの曲で一躍人気Pの仲間入りを果たされました。

 

 

 

曲の特徴としてはギターロックに主軸を置いたサウンドがまず挙げられます。「ジャキジャキ」といった表現がまさにぴったりな音で、邦楽的ギターロックの伝統に沿った気持ちが良いサウンドです。

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小気味好いリズムで鳴らされるギターが良いです。とにかく気持ちいい。ご本人は有名Pの石風呂さんに影響を受けている様子を時折見せてらっしゃるみたいで、確かに世界観や音の構成などにリスペクトが表れているのが伺えます。その中でギターサウンド等に関してははるふりさんの方がより鋭くなっていて、現代的な特徴を見せているように思えます。

 

 

 

もう一つ、はるふりさんの個性として語られるべきなのが歌詞の世界観です。

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難解な表現を散りばめたAメロ・Bメロから直接的にメッセージをぶつけるサビ、というのがはるふりさんの王道の戦術でしょうか。聴く人を煙に巻きながらここぞという場面で殴りつけるような言葉選びが大好きです。

 

現代的悟り世代としての諦め、苦悩、足掻きなんかがよく曲のメインテーマになっている印象です。人生を悩み悲観する若者哲学は10代後半〜20代前半の、しかもちょっと捻くれた層にはこれ以上ない程ダイレクトに突き刺さるのではないでしょうか。僕は毎回心臓貫かれてます。

 

決して暗い曲調ではなく、アップテンポでリズムも乗りやすくサウンドもジャキジャキのかっこいい系なのにふと歌詞の意味に見入ると動悸が起きるほど感情移入してしまいます。

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決して素直に弱みを見せるような表現ではなく、皮肉溢れる物言いで「自分なんてどうせ」とあっけらかんと諦めを見せているようで、その裏でひっそり苦悩しているように聴こえます。僕の勝手な想像ですが。

 

 

 

そんな表現を支えているのが圧倒的にキャッチーな歌メロです。どの曲にも耳に残るサビがあります。

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邦楽のメロディ至上主義やサビ至上主義についてはよく議論も起きていますが、やっぱりキャッチーなサビは強いです。そしてただキャッチーなだけでなく、皮肉の利いた歌詞という個性がはるふりさんにはあります。その相乗効果で、ただキャッチーなだけでも捻くれただけでもないメッセージ性が生まれているのではないでしょうか。

 

 

 

人気や再生数、活動期間の長さから考えるともうフルアルバムも作れるレベルのコンポーザーさんだと思いますが今のところその気配はありません。自分の曲を聴いてもらうこと以外の音源製作や販売はあまり興味がない人も多いみたいなのではるふりさんもそんなタイプなのかもしれません。

 

今日も社会や人生に対する皮肉を書き綴って曲を作ってるのでしょうか。いつも新作が楽しみです。