堕落ディザイアー

映画ブログ/音楽ブログ/音楽活動報告ブログです 好きなカテゴリでお楽しみください

実は王道の青春バンド映画? 『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』感想

スコット・ピルグリムVS.邪悪な元カレ軍団 (字幕版)

 

2010年のアメリカ映画です。コミック原作らしいので区分としてはアメコミ映画ですね。原作は日本版も発売されてます。こんな感じの漫画です。

 

売れないバンドマンの主人公スコットがクールで個性的で可愛い女の子ラモーナと付き合うことになるも、それを邪魔しようとラモーナの7人の「邪悪な元カレ軍団」との戦いに勝ち抜かなければならなくなって……というお話です。

 

まるでゲームのようなストーリーですが、作中ではファミコン風、ゲームセンターのゲーム風な表現が多用されています。そのネタの豊富さや細かさが一番の見どころですね。パックマンドンキーコングが襲ってくる『ピクセル』を思い出しました。

 

 そんな細かい映像表現の多用(登場人物の動作の度に画面に効果音が表示されたり)されているためか、この手のB級コメディ映画としてはかなり多めの制作費がかかっているみたいです。そのせいでジャンルからすれば十分な興行収入なのに赤字でした。そんな実情も笑えますね。

 

特に元カレ達とのバトルシーンは大作映画顔負けの大迫力です。アクション映画と呼んでもいいくらいガチな格闘戦や、空中に飛びながらのバトルや、果てはドラゴンが浮かび上がってぶつかり合うような演出まで挟み込んできます。そりゃあ金がかかって当たり前でしょう。

 

そんなゲームチックな展開はぶっ飛んでいて非現実的で、それを受け入れられるかどうかでこの映画を楽しめるかが分かれます。荒唐無稽といってもいい展開なので「こんなんあり得るか。アホくさ」と思うタイプだと見るのが辛いかもしれません。「これはギャグ漫画だ」と割り切って各ステージを攻略するように元カレを倒していくスコットを楽しむのが大切です。

 

 

 

B級コメディ映画離れした派手な映像と並んで見どころなのが魅力的な登場人物たちです。さすがはシリーズものの漫画原作だけあって一人一人キャラが立っていて皆愛らしいです。

 

スコットはいかにも地味でオタク系な坊やなのに女たらしというか女泣かせというか、仲間内からもネタにされるほどひどい付き合いをしてきたことをほのめかしています。現実にもこういう生まれついての女たらしみたいな何故かやたらとモテる奴っているよね。ヒロインであるラモーナに一目惚れ猛アタックしたのも、中国系アメリカ人の5歳下の女子高生と付き合いながらの二股目という擁護のしようもない状況です。ただしリッケンバッカーをかき鳴らす様子はけっこうかっこいいんだけどね。

 

そんなスコットが惚れたラモーナも7人の邪悪な元カレ軍団が結成されるほどの男泣かせです。元カレ達との恋愛遍歴もけっこう残酷。大体みんな1週間半で振ってるし。典型的な悪魔っ子というか悪女というか。

 

スコットが元々付き合っていた女子高生のナイブスちゃんが一番可愛かった。純粋で明るくて元気いっぱいで一緒にいてすごく楽しそうな子です。確かにお顔はまあなんというか……愛嬌があるよね、って感じですが、性格美人です。そのナイブスを雑に振って刺激的なラモーナに乗り換えて、最後には窮地をナイブスに救われ結局ラモーナの元へ走るというクズスコットのろくでなし具合が際立ちます。

 

他にもスコットのバンドメンバーやらスコットが同居してるゲイの友達やらスコットの元カノやらラモーナの元カレやらどいつもこいつもキャラが濃くて見ていて飽きません。

 

 

 

そしてそんなメチャクチャな奴らを演じる俳優陣がえらく豪勢なのも驚きでした。スコット役のマイケル・セラは大作コメディ映画の常連みたいな人だし、ラモーナ役のメアリー・エリザベス・ウィンステッド(名前長え)は若者向けホラー映画界の女王みたいな人です。スコットと同居するゲイの友達役はキーラン・カルキンという、なんとあの『ホーム・アローン』のマコーレー・カルキンくんの弟だそうで。顔がそっくり過ぎる。

 

そして元カレ軍団の一人にクリス・エヴァンス(『キャプテン・アメリカ』の人)まで出演しています。眉毛の角度が45°くらいに吊り上がった、脳みその思考回路まで筋繊維でできてるようなバカの役で。ハリウッドスターなのに。

 

 

 

ぶっ飛んだ演出と異常に濃いキャラのおかげでなんだか相当癖のある仕上がりになっていますが、ストーリーは王道の青春ものです。最後はけっこうなカタルシスもあるし(ナイブスの健気さが可愛すぎる)、ちょっと甘酸っぱい後味すら感じました。

 

コメディ映画好きには有名だしそろそろカルト映画的な扱いをされるようなポジションの人気作ですが、バンド系青春映画としてもふつうに楽しめます。テンションは斜め上に突き抜けてるけどね。実際にライブハウスの天井突き抜けたりするし。

 

明るく楽しく観れるし好きな映画でした。

www.youtube.com