堕落ディザイアー

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人を見かけで判断した末路『グッドネイバー』感想(※ネタバレ)

グッド・ネイバー(字幕版)

頑固で偏屈な意地悪爺さんとして近所でも有名な隣人に若者2人がドッキリを仕掛けるところから物語は始まります。その内容は「ハイテクな仕掛けの数々を駆使して心霊現象(っぽいこと)」を起こし、爺さんが怖がるかどうが隠しカメラで見守る」というかなり悪趣味なもの。

 

本人たちは「環境が人間の心理に与える影響を見る社会実験」とかもっともらしい理由をつけていますが要するに動画サイトで有名になりたいためのイタズラです。それプラス若者の一人にはある個人的な事情もあったことが後半明らかになりますが……

 

 

 

ドント・ブリーズ」的な路線の映画だと思って観ていたら意外と事態が進みません。爺さんが豹変して襲ってくるの遅いなあ、まだかなあ、と待ちながら観ました。

 

メインとなるイタズラ撮影の合間には後日談と思われる裁判の様子や爺さんの過去と思われる奥さんとの暮らしが描かれます。裁判があっているということは何かしら事件が起きたんだろうし、雰囲気からして爺さんの奥さんは病気で亡くなってしまったんだろうと思われる描写が続きます。

 

あれ?この爺さんほんとにヤバい悪い爺さんなのか?ただの孤独な老人じゃないのか?いやいやきっとこの哀しい過去でサイコなヤバい爺さんに変貌しちゃったんだ、と徐々に疑いと期待が混ざりあっていく中、物語は予想の斜め上を行く方向に。

 

その結末の救われなさというか胸糞悪さというか、何とも言えず後味の悪いラストです。それじゃああんまりだ。それじゃああまりにも爺さんが可哀想だ。

 

結局この爺さんはただ奥さんに先立たれて寂しく暮らす普通の老人だったんです。頑固で言葉の汚い性格は元々なのか伴侶を亡くして心を閉ざしてしまったのか定かではありませんが、このイメージと予告編にまんまとだまされてしまいました。

 

 

 

物語の最初、イタズラを仕掛けている主人公たちを見ながら自分も少しワクワクしてしまったことに罪悪感を感じました。一人孤独に暮らすおじいさんの家にイタズラを繰り返したら、それがおじいさんに(狙ったことではなくても)今は亡き奥さんを何度も思い出させてしまった。亡くなった奥さんが自分に何か語りかけているんだと思ったおじいさんは最後は……

 

自分たちが仕掛けたカメラに一部始終が収められていたから良かったものの、一歩間違えれば殺人で一発で終身刑だったかもしれませんね。裁判所のシーンでの、イタズラの度が過ぎて相手を泣かしてしまって「やべえ俺たちひどいことしちゃった」と冷静になって罪悪感に駆られるあの感じを特大バージョンにしたような気まずさがなんとも言えません。

 

 

 

結局はこの爺さんを見かけや周囲の評判で判断して「こいつは悪い奴に決まってるから虐めてもいい」というダーティな発想で事に及んだのが最大の罪でしょう。「人を見かけで判断してはいけない」を2時間弱かけて体言してくれる映画でした。

 

まさかこんな鬱エンドを迎えるとは。いつこの頑固爺さんが銃を持ち出してお隣さんである主人公たちに襲いかかってくるかワクワクしていたところに突き刺さる結末でした。

 

いくら見た目が怖くても口が悪くてもそれだけでイタズラというなの虐めをしていいわけがありませんよね。このラストを見て真似する人はいないと思いますが。