堕落ディザイアー

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おいしいとこ取りの災害・航空パニック 『フライト・クルー』感想

フライト・クルー(字幕版)

2017年製作のロシアのパニック映画です。

 

資源採掘のために作業員やその家族が暮らしていた島が火山噴火で全滅の危機に陥り、救助のためにそこへ駆けつけた航空機とそのクルーたちがサバイバルする様を描きます。

 

前半では登場人物の紹介がてらその人間ドラマが描かれ、後半ではたたみかけるようにトラブルが襲ってきます。

 

 

 

後半のサバイバル描写もさることながら、空軍出身のお調子者パイロットが民間航空会社の世界に慣れていく描写(急上昇や急降下しちゃダメって叱られるところ)や、中東に着陸したら革命が起きてて軍が空港を管理してたという国際線ならではの出来事など、「フライト・クルーたちの日常」が結構面白くて退屈せず見れました。

 

メインキャラのうちヒロイン的ポジションの女性パイロットの性格がありとあらゆる点で主人公に絡んでくるのが印象的でした。そこまで辛く当たられて主人公もよくそいつに恋できるな、ってレベル。美人なだけでは乗り越えられない毒舌っぷりです。向こうでは性格がきつい人が好まれるんでしょうか。

 

そしてフライトアテンダントの女の子も「パイロット」という肩書きだけで主人公にアタックしてきて同じ乗務員の同僚男子にはひたすら辛く当たるんですね。何故メインキャラクターの女性を揃って怖い女性にしたのか。ロシア映画ではよくあることなんでしょうか。

 

 

 

後半は島からの脱出と、脱出後の飛行機トラブルの二本立てでサバイバルが描かれます。

地震で空港が崩壊していく様や溶岩が押し寄せてくる描写の怖さはかなりのものでした。CGのクオリティも申し分なしです。ロシアのCGってすごく綺麗で丁寧な印象があります。

 

そしてやたらと派手な爆発が多かったです。空港内で爆発が起き、燃料タンクが爆発し、飛行機が爆発。いくらなんでもそんなに簡単に引火が起こるか、というレベルで次から次に爆発。そんなに好きなのか爆発。

欠けた滑走路で無理に離陸しようとした航空機が推進力が足りずに地面に激突して爆破炎上するシーンなんかは派手さたっぷりで、CG描写も丁寧過ぎてリアルさが逆に怖かったですね。直接の描写はなくても、その機のパイロットの無茶な発進のせいで何百人もの乗客が焼け死んだ光景を想像させられてしまいました。

 

 

 

主人公たちがなんとか離陸したあとの航空パニックタイムではやりたい放題でした。燃料漏れで墜落が近い機から主人公の機へロープを張って空中ゴンドラ綱渡りとかね。こうして文で書くだけで「アホか」と思える内容ですが映画は自由です。やります。それもそこそこ上手くいくというのがまたフィクション全開です。面白いからいいんだけどね。

 

そして最後の最後までメインの登場人物からは誰も死者が出ませんでした。他の人たちは結構あっさりどんどん死んでいくのにね。「キャラ付け的にこいつはここで死ぬな」とか「最後を感動の結末にするためにこの人はここで死ぬな」とかパニック映画の常識に当てはめながら見ていましたが全弾外れです。

そうやって役名付きのキャラが助かるなか飛行機ゴンドラ渡りの途中でカーゴから投げ出されて上空数千mに落ちていった人たちの悲惨さたるや。想像したくもありませんね。

 

というわけで、上手く災害パニックと航空パニックの面白いポイントをつまんでまとめてくれている良作と呼べるパニック映画でした。この手のパニックものが好きなら見て損はありません。