堕落ディザイアー

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歴史映画×SFアクション 『アウトランダー』感想

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中世のノルウェーにエイリアンが出現し、ヴァイキングたちと死闘を繰り広げるというSFアクション映画です。

 

物語の主人公ケイナンは姿は人間と変わりませんが地球外から来た存在で、いわゆる宇宙人ということになります。彼の家族や仲間は「モアフェン」という凶暴なエイリアンによって根絶やしにされ、生き残ったケイナンは宇宙船で自分の星を脱出して地球に不時着したのでした。

 

しかしその宇宙船にはモアフェンが一匹紛れ込んでおり、宇宙船とともに地球に降り立ったそいつは近くにあるヴァイキングの村を襲い始めます。ケイナンはその村の人間たちと協力して、モアフェンに立ち向かうこととなります。

 

 

 

敵として登場するのは全長数mもある巨大エイリアンですが、物語の舞台は中世ノルウェーなので絵面は思いっきり歴史映画です。僕は観ていませんがゲーム・オブ・スローンズとかの雰囲気が近いんじゃないかな。

 

舞台として描かれるのはヴァイキングの集落と敵対するその隣の集落くらいでスケール的にはこじんまりとした話ですが、背景や衣装の作り込み、モアフェンのCG描写などは大作と比べても遜色ない完成度です。

 

中世の人々の暮らしぶりを描くシーンも多く、厳しい時代を乱暴に自由に生きていた彼らの人間臭さも観ていて面白いです。そしてそんなドラマ描写があるからこそ、そこにものすごくイレギュラーな存在として紛れ込むモアフェンの恐ろしさが際立ちます。

 

 

 

モアフェンには中世の鉄剣や鉄斧、弓矢はろくに通じないので(何せ宇宙人を滅ぼすほどの戦闘力です)、主人公ケイナンがより文明の進んだ人類として作戦を立てながら戦うこととなります。彼が張り巡らせる様々な作戦と、それを実行する命知らずなバイキングたちの戦いはかなり見応えがあって退屈しません。

 

敵部族や猛獣など身近な脅威を超える破滅的な敵としてモアフェンが暴れまわる絵面は、どちらかというと歴史ファンタジーに近いです。彼らも最初にモアフェンの襲撃を受けた際は、敵は「ドラゴン」ではないかと推測する声もあがっていました。

 

神話に残っているドラゴンとかキメラみたいな怪物も、実は地球外から飛来したエイリアンが言い伝えられたものだったりするんでしょうか。

 

 

 

主人公ケイナンを演じたのは「パッション」や「大脱出」のジム・カヴィーゼルです。「大脱出」では冷酷で嫌味な敵役を演じていましたが、本作ではがらりと変わって寡黙で渋い男のキャラがハマっていて印象的でした。

 

脇もジョン・ハートソフィア・マイルズなどちょくちょく有名作品で見かけるキャストが固めていて、マイナーめな低予算映画としてはかなりしっかりした顔ぶれです。

 

そしてハリウッドが誇るゴリラ顔俳優、ロン・パールマンが敵対する部族の長として出演していて、何の事前知識もなく彼の登場を見て驚きました。相変わらずの超個性的な顔立ちで、この目立ち具合は個性派俳優になるために神から与えられたものとしか思えません。好きです。

 

 

 

モアフェンとの戦いと並行して、ケイナンがヴァイキングたちに仲間として認められて新たな居場所を得ていく過程も描かれていて、ドラマ面もしっかりと作り込まれています。中世ファンタジーとしても歴史映画としても、SF映画としても見応えたっぷりです。

 

B級映画だと舐めてかかると、そのクオリティの高さに驚かされる良作です。期待して観てください。