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凡庸なシチュエーションサスペンス 『クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的』感想

クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的 [DVD]

スペイン産のサスペンスホラーです。タイトルにある「バル」とは、ダイナーやカフェみたいにコーヒーを飲んだり軽く食事をしたりするお店のことだそうです。

 

マドリードの街中にあるごく普通のバルに居合わせた客たち。そのうちの一人が食事を終えて店を出ると、いきなり頭を撃ち抜かれます。そして、彼を助けようと店の外に出た男もまた同じように撃ち殺されます。

 

どうやら近くに潜んでいる狙撃手が店を出ようとした者を次々撃ち殺しているらしく、バルの客と店員たち計8人は店の中に閉じ込められてしまう……というところから物語は始まります。

 

 

 

この出だしまでのテンポや見せ方はかなり面白く、一気に引き込まれます。何故バルを出ようとすると撃たれるのか何も分からない状況で慌てふためく客や店員たちも癖のある人物ばかりで、誰にどんな裏が隠されているのか興味を惹かれます。

 

ところが、個人的にはこの出だしが面白さのピークでした。最初に一気に盛り上げて、その勢いを保つことができずゆっくり失速していきます。

 

バルに閉じ込められた登場人物たちが事態の原因を探り合ってお互い疑心暗鬼になったり、それぞれに隠されたちょっとした秘密が明らかになっていったりと中盤くらいまでは謎が謎を呼んでわりと面白かったものの、そういった各々の秘密暴露シーンがその後に何も活きていません。

 

 

 

彼らが地下室から下水道に脱出しようとする後半からは、ブラックユーモアに溢れてどこか笑えた雰囲気もなくなってただただ暗いサスペンスになっていきます。タイトルやDVDジャケットから想像されるような笑える作品ではありません。むしろ暗くて汚くて、見ていてただただ辛かった。

 

彼らが狙撃手によって店に釘付けにされた真相が明らかになるのはそれなりに驚いたし面白かったんですが、それも映画の中盤なのでその後はどこかで見たような展開のシチュエーションスリラーがくり広げられるだけです。

 

特に後半は尺稼ぎかとすら思えるような冗長な場面も多く、久しぶりに早送りを使いました。

 

結末はなかなかシュールな絵面で終わるものの、シュール過ぎて笑えません。それまでの暗さで見てるこっちはちょっと引いちゃってたし。

 

 

 

この手のサスペンスでもっと面白い映画はたくさんあるし、ちょっと特別褒めるには厳しい凡庸な作品だと思います。僕は人にはおすすめしないかな。

 

クローズド・バル 街角の狙撃手と8人の標的 [DVD]
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