堕落ディザイアー

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ゆる〜く笑えるSFコメディの秀作 『ミラクル・ニール!』感想

ミラクル・ニール!(字幕版)

 

イギリスのコメディ映画です。

 

文学賞を夢見て小説を執筆しながら教師として働いている冴えない中年男・ニール。彼はある日、願いを言いながら右手を振るだけでそれがどんなことでも叶うという全能の力を手に入れます。

 

彼に力を与えたのは高度な文明を持つエイリアンたち。人類を生かす価値があるかどうか見極めるため、代表としてニールに全能の力を与えて彼がそれをどう使うか観察することにしたのでした。

 

そして、そんなこととは知らず好き勝手に能力を使いまくるニール。知らず知らずのうちにエイリアンたちに「善い行いをできない下等生物」という評価を下されていく彼は地球を救うことができるのか……というお話です。

 

 

 

右手を振るだけで願いが叶う。そんな神にも等しい力を手に入れたら、きっと誰もがあらゆる欲望を叶えようとするでしょうね。ニールも好き勝手に願いを叶え始めますが、全能の力を手にしながらもその使い方が妙にしょぼいのがシュールで笑えます。

 

マッチョになりたい、自動で着替えたい、嫌な上司が自分に親切になってほしい、そんなごく身近な願いばかりを呟きます。豪邸に住みたいとかモテモテになりたいとか大スターになりたいとか、あまり大きな野望は見せません。

 

試しに「アメリカ大統領になりたい」と言ってみたりしても、そのあまりの大変さに即座に取りやめたり。案外彼のように身の丈にあった満足を手に入れるのが賢い使い方なのかもしれませんね。

 

上手いこと能力を役立てようとしても、効き方が過剰だったり言葉のあやでめちゃくちゃな結果になったりしてどんどん大きなトラブルが巻き起こっていきます。その結果ニールは結構しゃれにならない事態に巻き込まれるんですが、映画自体の空気が終始ゆるいので観ているこっちも安心してへらへらと笑っていられます。

 

 

 

この映画で一番の見どころは、ニールの飼い犬・デニスです。ニールの能力で知性と喋る力を手に入れたこいつが登場中終始ぺらぺらと喋りまくりながら事態をややこしくしていくんですが、そのアホさ加減がたまらなく可愛い。

 

前半はただのアホ犬だったデニスですが、後半にいくに連れてどんどんその活躍が増していきます。最終的には明らかに主人公ニールよりも重要なポジションになっていて笑えました。

 

 

 

主人公ニールを演じたのはイギリスの名コメディ俳優サイモン・ペグです。しょぼくれた中年を演じさせたら彼の右に出るものはいませんね。

 

近年ではスター・トレックミッション:インポッシブルのシリーズ常連になってたりと大出世を果たしていますが、やっぱり彼の個性が栄えるのはこういう良い意味でしょーもないコメディ映画だと思います。

 

他にも、ニールが片思いをしている隣人キャサリンケイト・ベッキンセイルが出ていて驚かされました。バリバリのアクション女優として知られている彼女が本作ではひたすらニールの能力に巻き込まれて苛立つ普通のキャリアウーマンを演じていて、アクション能力の出番は0です。なんというケイト・ベッキンセイルの無駄遣い。

 

そしてこの映画の本当の主人公・犬のデニスの声を演じたのはなんと名優ロビン・ウィリアムズです。公開時には既に亡くなっていて、彼が出演した最後の作品になったんだとか。ごく普通のコメディ映画ですが、ロビン・ウィリアムズが生涯で最後に出演した作品」ってなると一気に重要度が高まりますね。

 

 

 

毒にも薬にもならない馬鹿馬鹿しいコメディ映画ですが、こうやって頭を空っぽにして何も考えずに観られる映画も大切ですよね。ひたすらゆるくて物語が一切深刻にならない、気を休めることができる良作ほのぼのコメディです。

 

犬が喋ったりとほんわかした雰囲気がありますが、下ネタが結構多いのでお子さんとの鑑賞にはご注意を。

 

ミラクル・ニール!(字幕版)
ビル・ジョーンズ, ベン・ティムレット