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異常にアンバランスなSF戦争アクション 『アウトポスト37』感想

アウトポスト37 (字幕版)

南アフリカとイギリスというちょっと珍しい合作のSFアクション映画です。

 

舞台は近未来の地球。エイリアンと軍隊が戦うSFアクションですが、作中では既に侵略戦争終結後となっています。

 

地球外生命体「ヘヴィ」の侵略で人類は多大な被害を被ったものの、あらゆる国が一丸となって「地球防衛軍」というどこかで聞いたことのある組織を結成して戦い、戦争に勝利。ヘヴィは地球から撤退します。この映画で描かれるのは、地球に残るヘヴィの残党狩りを行なう地球防衛軍兵士たちの戦いです。

 

 

 

物語の中心になるのは、「第37前哨基地」。英訳すると「アウトポスト37」と邦題になります。

 

この基地の作りがもうしょっぱいのなんの。プレハブで作られた事務所や詰め所をトタンで囲って土嚢を積んだだけです。とても「基地」とまでは呼べません。どちらかというと通信とか補給の中継地点になる「連絡所」って感じ。

 

所属兵士もわずか十数人。武器はライフルや、せいぜい重機関銃と手榴弾くらいです。これで登場人物たちは大真面目な顔で「ここはエイリアンとの戦いの最前線だ」「ここは地球で最も危険な場所だ」と語ります。

 

 

 

この設備と人員で抑えきれる「ヘヴィ」の大したことなさったらありません。見た目はゴリマッチョトカゲ人間って感じでなかなかかっこよく、ライフルが直撃し続けてもひるまないなど地球の生き物離れした頑強さもあったりします。

 

使う武器もエネルギー弾みたいなのを発射してきたりとハイテクなんですが、そのエネルギー弾を外す外す。1発もこちらに当たりません。よくそれで地球侵略なんて考えたもんだ。故郷に軍事施設を置かれることに反発してゲリラ化した地元民の方がよっぽど強敵だと思います。

 

こんなショボい基地がエイリアンとの戦いの最前線だとか、エイリアンの強さが超微妙だとか、それまで地球規模で何年も手こずっていたはずのエイリアン残党の拠点に車で一晩くらいで着いちゃうとか、映画としての作りの粗を探すときりがありません。

 

 

 

そうやって舞台設定やストーリー背景が異常に雑な作りなのに対して、アクション描写だけは異常にガチです。

 

銃撃戦のリアルさ、弾を食らって飛び散る血、そんな部分だけはいっちょまえの大作並みにしっかりと作り込まれています。ことあるごとに起きる爆発もしっかりとしていて、マイケル・ベイってくらい大量の火薬を使って派手な花火が上がります。

 

ヘヴィもCGだけはやたらとリアルに作り込まれていて、人間との絡みもそれなりに見せてくれます。ちゃんとそこに敵がいる感が出ているので、嘘くささはありません。

 

銃撃戦は「ローン・サバイバー」とか「エネミーライン」みたいなリアル戦争路線で、それなりに緊張感があって退屈させません。

 

監督は「ゲーム・オブ・スローンズ」のVFXを担当している人らしく、映画としてのチープさに対して異常にCG描写やアクション描写に熱が入っているのも納得がいきます。

 

 

 

ストーリーや舞台設定はC級レベルなのに、CG描写やアクション描写だけA級なので総合的にB級、みたいな珍しい映画です。普段からハリウッド大作に慣れている人にとっては厳しい出来かもしれませんが、B級映画に耐性がある人ならそれなりの掘り出し物としてまあまあ楽しめるんじゃないでしょうか。

 

 

アウトポスト37 (字幕版)