堕落ディザイアー

ずっと家でゴロゴロしながら映画を観ていたい

パッケージとのギャップが凄い 『13ゴースト』感想(ネタバレあり)

13ゴースト(字幕版)

 

パッケージこわっ!!という印象を小学生の頃にツ〇ヤの棚で見かけて以来ずっと持っていました。

 

おまけに何かの映画のビデオを見た時に流れた予告編も(当時小学生だった僕には)やたらと怖くて、きっと暗くてグロくてもし見たらトラウマになるようなすごい怖い映画なんだろうなあ~と思ったのを覚えています。当時まだ僕7歳くらいだったし。

 

それから十数年経ち、昔だったら「こんな怖そうなの見ちゃいけません」と言われそうな映画でも自分で借りて見れるようになりました。そして、こいつの存在なんてすっかり忘れて過ごしていました。

 

が、レンタルDVD店で偶然『13ゴースト』と書かれた背表紙を見たとき、子供の頃の記憶がモリモリ甦ってきました。好奇心を抑えられず、遂に借りて見てみました。

 

 

 

「思ってたようなグログロドロドロホラーじゃねえんだな…」というのが最初の感想です。意外とあっさりな内容でした。むしろ幽霊的な怖さはほぼ皆無です。ホラーというよりはアクションやアドベンチャー要素の方がメインだったかな。

 

「ダークキャッスル・エンタテインメント」という、ホラー映画専門の映画会社の作品です。有名どころだと『エスター』とかを手掛けた会社ですね。

 

ストーリーは、ある一家を主役に描かれます。大富豪の親戚・サイラス叔父さんが事故で急死したことにより彼の屋敷を相続した主人公家族。しかしこの屋敷の地下には、生前サイラス叔父さんが世界中から狩り集めた「ゴースト」を自宅の地下に閉じ込めていたのでした。屋敷に入った一家4人やら弁護士やら謎の電気技師やら6人は、脱走して屋敷内に散った個性豊かなゴーストたちに襲われます。おまけに屋敷には様々なからくりがあり、壁が動いたりドアや窓が急に閉じたりしたことで6人は閉じ込められてしまいます。

 

 

このお屋敷、一見ただの屋敷に見えて実は仕掛けだらけ…なんて話ではなく、地上部分は外壁まで一面強化ガラス張りのスッケスケな造りであからさまに怪しいです。しかもガラスには謎の呪文がびっしり。おまけに建物全体が変な幾何学模様な形をしています。

 

こんな劇的ビフォーアフターでも見られないような悪趣味な屋敷を見ても、主人公一家はわりとあっさり受け入れて、むしろ「新しいマイホームがタダで手に入った」と喜んで入っていきます。変な家族ですね。さすがいい歳して「ゴーストを集めて魔術によって地獄の目を開き、過去や未来を見通す超能力を手に入れよう!」と本気で企んでいたサイラス叔父さんの親戚なだけあります。変わったセンスを持つ血筋なんでしょうか。

 

 

 

そしてなんやかんやで解き放たれるゴースト全12種。実はサイラスは生きていて、前述した目的のためにアーサー(主人公一家のパパ)を自殺させて13人目のゴーストにし、超能力を手にして好き勝手しようとしてたんですね。

 

ゴーストは特殊なゴーグルをかけないと見えない設定で、実はすぐ近くにゴーストがいる!とか、ゴーグルが無い状態でどこにいるか分からないゴーストとの攻防とか、このゴーグルがいい感じにハラハラドキドキを演出してくれていました。

 

 

 

このゴーストたちの襲い方も、走って追いかけてきて物理的に殴り殺そうとしてくるなどめちゃめちゃ直接的で、オカルトチックな呪いの類なんかはありません。幽霊というよりはモンスターに近いですね。なので日本的なホラーが苦手な方でもキャーキャーいいながらお化け屋敷感覚で楽しめるのではないでしょうか。

 

グロテスクな描写もそんなにはありませんが、主人公一家を嵌めてサイラスから報酬をもらおうとしていた弁護士はガラスドアで前後に真っ二つにスライスされましたね。断面まできれいに見えていました。そこだけはR15+じゃねえのかってくらいグロかった。

 

そこ以外はホラーっぽさは薄く、「一家が力を合わせてサバイバルするファミリーホラー」みたいな雰囲気です。ちょっと真面目寄りな『ホーンテッドマンション』といったところでしょうか。人体の断面とか映るけど。

 

 

 

ヒーロー主人公っぽかった謎の電気技師デニスは死んじゃうし、一応話の中心にいるアーサーは主役としてはちょっと地味だったり誰が主人公かよくわからない映画ですが、一番活躍したのは間違いなく屋敷見学に付き添いでくっついてきた一家の家政婦のマギーです。ゴーストたちを操っていた呪文音声が流れる音響機器を適当に動かしてぶっ壊し、儀式用の巨大装置もなんやかんや爆発させて解決します。

 

爆発に巻き込まれて死んでしまったかと思いきや、ぼろぼろになった屋敷を後にしながら「辞めさせてもらいます!雇われたときはこんなことになるなんて聞いてなかったわ!」とかなんとか元気に騒ぐカットでちゃっかりオチまでかっさらい、そのまま映画は終わります。真の主人公はメイドおばちゃんのマギーでした。

 

そんなこんなで映画が終わってみると犠牲者はゴースト騒ぎに自ら関わった因果応報的な人たちばかりで、アーサーたち一家+マギーは無事に生還しました。理にかなった優しい殺戮でしたね。

 

王道エンタメホラーアドベンチャーを繰り広げて最後には爽やかなハッピーエンドと笑えるオチが待っているなんて、こんなブラクラ画像みたいなパッケージから誰が想像できるでしょうか。この映画で一番怖いのは、間違いなくレンタルDVD店で棚から取るときにこのパッケージを直視するときでしょう。

 

13ゴースト(字幕版)