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雰囲気は抜群なSFホラー 『エウロパ』感想(ちょっとネタバレあり)

エウロパ(字幕版)

2012年のアメリカのSF映画です。海があるとされる木星の衛星「エウロパ」に調査に向かった宇宙飛行士チームの恐怖の旅が描かれます。

 

終始何とも不気味な雰囲気で話が進むハードなSF作品です。宇宙での異常事態をテーマにした映画って怖いですよね。宇宙って究極の閉鎖空間ですから。マジでどこにも逃げ場ないですもんね。

 

しかもこの映画で出てくる宇宙船ってのがまた狭いのなんの。宇宙飛行士たちが過ごすのは操縦室と調査機器が置かれた部屋と、二段ベッドが並んだ広めのリビング程度の居住区だけ。ここに6人で往復4年弱って殺し合いか欝になりそうだ……

 

そんな、「何かあっても逃げ場なし、プライバシーなし」の宇宙空間で起きる数々のトラブル、そしてたどり着いたエウロパで彼らが見た衝撃の事実が映画のメインストーリーになっていきます

 

 

 

終盤までは王道の宇宙空間パニックものとして話が進みます。そして最後5分くらいはモンスターパニックじみた雰囲気も見せます。「ゼロ・グラビティ」とか「インターステラー」、「サンシャイン2057」が近い雰囲気ですね。

 

ゼロ・グラビティ」ほど派手で分かりやすくはなく、「サンシャイン2057」ほどのおどろおどろしさもない、という両者のちょうど中間くらいの映画です。「インターステラー」のような壮大なテーマもありません。レビューサイトなどではすごく評価が低かったので全く期待せずに見ましたが、中々いい感じに不気味な雰囲気が出ていて面白かったです。低予算ながら上質なSF映画でした。

 

「通信が途切れていた調査チームから何かのきっかけで最期にまとめて記録映像が届いたけど、そこには道中の出来事とか未知の地球外生命体とかすごいもんが映ってたよ」という、ストーリー的にはそれだけの話です。が、こういう「息の詰まるような閉鎖空間で次から次に危機が訪れて、一人また一人と犠牲になっていく……」みたいなSFパニックが好きなら十分に楽しめると思います。

 

未知のモンスターとの絡みなんかを期待して見るとがっくりくると思います。モンスターの出番はラストワンカットのみなので。むしろそいつのもとへ行くまでの宇宙の旅が物語のメインです。

 

 

 

リアルな宇宙空間や宇宙船の描写、エウロパへの道中のトラブル、人類未踏の星の描写などが本物の記録映像かってくらいの臨場感で描かれるのを楽しむことができるなら面白いと思います。科学的考証にもこだわりが見られる描写だけでなく、出演者たちの演技でも臨場感が掻き立てられます。

 

特に宇宙船外活動時の事故で死んでしまうエンジニア(「第9地区」主演のシャールト・コプリー)の演技は良かったですね。宇宙空間に一人とり残されて死んでいくことへの諦めや恐怖・心細さを首から上のアングルで表情だけで上手く表現していました。元々俳優じゃなかった人とは思えない演技力です。

 

そして記録映像じみたリアルな描写の最後にあんなものが映ってしまうことで「えらいもん映ってた……見てしまった……」となりました。溜めて溜めて最後にあれだからこその効果です。

 

 

 

分かりやすいSFパニックを期待すると肩透かしを食らうと思いますが、宇宙ものならではの閉塞感、息の詰まるあの感じが好きなら程よく楽しめると思います。

 

エウロパ(字幕版)

エウロパ(字幕版)