堕落ディザイアー

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あくまでアクション映画です 『パール・ハーバー』感想

パール・ハーバー  (吹替版)

色んな意味で映画の歴史に残る「超傑作戦争ラブコメアクション(笑)」です。DVDジャケットがタイタニックみたいだよね。

 

誰が何をどう間違ったのかマイケル・ベイというアホアホなハリウッドアクション専門監督みたいな人にアメリカの歴史上でも重要な出来事である真珠湾攻撃の映画を任せ、その結果ガバガバ歴史考証のなんちゃって戦争ごっこアクション映画ができてしまいました。

 

ハリウッド映画界の偉い人たちはマイケル・ベイにこんな繊細な題材を触らせたら一瞬で粉々に壊しちゃって自分好みに味付けしてしまうとどうして分からなかったのでしょうか。

 

歴史映画としてはこれでよく堂々と『パール・ハーバー』なんて名乗ったもんだ、と言われても仕方ない作りこみです。『ぱぁる・は~ばぁ』くらいの出来です。

 

 

 

歴史考証の甘さからの間違いだらけの映像、リアルとはかけ離れた大げさで娯楽ノリの強い戦闘シーンが話題になり、日本軍の描写に至っては史実に沿ってる部分を探す方が難しいレベルといっても過言ではありません。

 

日本軍のトップたちによる野原のど真ん中での青空作戦会議は今でも映画マニアの間で語り草になってます。

 

wikipediaにすら「リアリティはともかく迫力に溢れた映像および音響演出は話題となり~」と書かれる始末で、ページの文量の半分以上が描写の誤りを指摘する内容になってます。映画ジャンルについても「内容的には戦争を舞台にした恋愛映画」などと書かれていて、公平な説明を書こうとしつつもこれを戦争映画として認めたくない筆者の葛藤がじわじわと伝わってきます。

 

 

 

が、しかし、そんなあふれ出す欠点を補える良さもこの映画にはあります。そもそもマイケル・ベイが監督した時点で派手派手な映像しか見るべきではないと映画ファンなら分かっています。

 

大人向けの重厚で考えさせられる深いストーリーなんて期待しては駄目なんです。「トランスフォーマー」シリーズのあの考えなしに後付け設定を乗せまくって過去作品を亡き者にする無茶っぷりに彼のシナリオ面の気にしてなさが表れています。

 

 映像だけ見ればほんとにすごいアクション映画です。さすがハリウッドの破壊王。爆発と大規模戦闘を撮らせたら右に出る者はいません。まだ30代そこそこで映画監督としては新人だったのに当時の最高レベルの破壊シーンが作られてると思います。

 

15年経った今でも全く見劣りしません。というか今の日本の最新CGに余裕で勝ってるのではないでしょうか。

 

何といっても真珠湾攻撃のシーンの迫力が半端ない。戦艦アリゾナが物理法則も無視する勢いで甲板が持ち上がるように爆発して吹っ飛ぶ映像の凄さ。戦艦をこんなふうにぶっ壊すセンスはこの世で彼にしかないでしょう。

 

日本軍による爆撃の大破壊、無残にぼこぼこにされていくアメリカ軍、襲われて逃げ惑う一般市民、反撃する主人公たち、携行火器であっさり撃ち落とされる零戦

 

史実なんか関係ありません。現代の最新式のアメリカ艦艇がうっかり映りこんじゃってたりしても問題ありません。僕たちがマイケル・ベイに求めるのは派手な大破壊だけです。

 

 

 

ここまで歴史を無視するならもう悲惨な戦争の歴史はここでは忘れてフィクション作品としてアクションシーンに酔いしれるだけです。爆弾をぼんぼん落とす日本軍を「もっとやれ」と応援して、抵抗して零戦をぼこぼこに落とすアメリカ軍を「もっとやれ」と応援するのみです。

 

太平洋戦争を真面目に作った映画なら『永遠の0』『父親たちの星条旗』など挙げきれないほどたくさんの傑作があります。

 

だからこんなすっとぼけ映画に対しては僕たちも頭空っぽになってただCGすご~いと喜びながら映像だけ楽しみましょう。マイケル・ベイはこれからも末永く元気に無茶なアクション映画を撮ってくれればそれでいいんです。