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ダークファンタジーな恋物語 「美女と野獣(フランス版)」感想

美女と野獣(吹替版)

ディズニーのアニメ映画で有名な「美女と野獣」ですが、元々は近世フランスのお話なんですね。こちらは作品の故郷フランスでドイツとの合作で作られた実写映画ということになります。

 

主演はレア・セドゥという、最近ハリウッドでもよく目にするフランス人の女優さんです。「007 スペクター」「イングロリアス・バスターズ」「グランド・ブタペスト・ホテル」なんかで有名ですね。クールでちょっと冷たそうな雰囲気と、知的さを感じる目が印象的な方です。

 

 

 

ディズニー版と比べると「暗い」という感想が出るかな、と思います。野獣がなぜ野獣になって城に一人で暮らしているのか、主人公ベルが城へ来るまでの流れ、ベルや野獣を狙って城へ来る悪党たちの末路など、けっこう容赦ない厳しいお話が続きます。

 

冒頭のベルの一家が破産して都会を離れる描写なんかは中々エグくて、逃げるように馬車に乗るベルたち一家を街の人々が野次馬となって嘲笑い罵りながら見物しています。当時は「金持ちの没落」がとにかくいい気味で面白い「メシウマ」な見世物だったんでしょうか。かなり性格が悪い描写です。

 

野獣も最初は「恐ろしい化け物」的なイメージが強く、口調や性格も取っつきにくそうな感じで振舞います。ダークファンタジー的な色味の強い世界観です。ロマンス的な雰囲気は薄く、ファンタジー世界を舞台にした真面目でシリアスな恋愛ドラマ、という印象です。

 

 

 

ですが豪華な城内や晴れの日の庭園、野獣の回想で出てくるヨーロッパの王族社会の描写はとてつもない映像美です。思わず息を飲みました。さすがフランス、綺麗です。ハリウッド的な豪華さともまた少し違う優美で荘厳で絵画のような世界です。

 

監督は映像表現に関して宮崎駿さんの影響を受けていることを公言していて、確かに言われてみればジブリ的な色使いや風景描写が多く見受けられるような気がします。終盤の巨人や呪いで変身させられたビーグル犬たちもナウシカっぽい世界観が似合いそうです。

 

 

 

野獣が人間の王から野獣の姿になった理由やベルの家族、悪役たちの描写など、人間の欲や愚かさといった負の側面を掘り下げて描くストーリーが中心で、どちらかというと大人向けな話かな、と思います。ディズニーのテンションを期待して観ると、お子さんは年齢によっては話を全部理解するのは厳しいかもしれません。

 

そんなちょっとダークでビターな「美女と野獣」ということで、ディズニー実写版ともアニメ版とも一味違う面白さがあると思います。

 

ヨーロッパファンタジー特有のちょっと影のある感じ、シリアスな雰囲気が好きな人にはたまらない作品ではないでしょうか。

美女と野獣(吹替版)

美女と野獣(吹替版)