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ゴリラVSゴリラ 『キングコング:髑髏島の巨神』感想(ネタバレあり)

キングコング:髑髏島の巨神(吹替版)

「未開の島で捕まえたキングコングをNYに連れ帰ったら脱走して大暴れされた」というこれまでのキングコング映画とは違い、ベトナム戦争後の時代を舞台に未知の島で調査隊&米軍とキングコングが真正面からぶつかるというオリジナルストーリーが展開される映画です。

 

見る前の予想とは色々違った部分も多かったけど派手だし面白かったです。やっぱりアメリカでのキングコングのキャラクターは決して「野生的で悪い怪物」じゃないのか、頭も良く正義感が強く、「島の守り神」というポジションの描かれ方でした。日本でいうゴジラ的なポジションですね。

 

本作で悪役となるのは「スカル・クローラー」という化け物。元々その多くは地底に住んでいたのが、調査隊が地質調査のために落とした大量の爆弾のせいで目覚めて地上に這い出てきたそうです。島の伝承ではこいつらがもし世界に広がったら人類の存在が危ないレベルの生物なんだとか。

 

島は常に嵐に囲まれていて船では近づけない、その上乗ってきたヘリは爆弾を落とされた怒りでキングコングに全機撃墜されてしまったので、上陸した反対側の海岸の合流地点まで予定時刻に辿り着かなければ永遠に島に置き去り、という状況でのサバイバルが描かれます。コングやスカル・クローラー以外にも馬鹿でかい蜘蛛やらジブリじみた巨大牛やら得体の知れない生き物だらけの島を縦断しないといけないという地獄。

 

 

 

登場人物の中で一番面白かったのはなんといってもサミュエル・L・ジャクソン演じるバッカード大佐ですね。部下たちを殺された恨みから執拗にコングを殺すことにこだわり、脱出のタイムリミットが迫っているのも構わず生き残った数名の部下を連れてコング狩りに執着します。

 

その表情たるや完全にイカれてるとしかいえない形相で、ベトナム戦争で精神を蝕まれた軍人、というモチーフがよく表れています。彼は本当に頭のねじが外れた役が上手ですね。

 

本作のキャラクターの魅力はコングとこの大佐に集中しています。彼らのインパクトが強すぎて他の登場人物は大して印象に残りません。そもそも主人公のはずのコンラッドがろくに活躍してなくて可哀想でした。凄腕の元軍人ということで島のガイドとして雇われたコンラッドですが、こいつが来た意味は果たしてどれだけあったのか。

 

黒幕じみた空気を醸し出していた調査隊のリーダー・ランダもただの自己顕示欲の強い学者でいかにも終盤に裏切りそうな奴でしたが、中盤であっさり食われます。米軍兵士たちもそれなりにキャラづけされた割にはあんまり見せ場もありません(皆を逃がすために自爆特攻したのにミスって犬死になったおじさんは無念でした)。

 

太平洋戦争時にこの島に不時着して以来数十年生き延びていたというおじいさんも島についての説明役以上の役割はなく。唯一カメラマンのお姉さんはやたらと目立って活躍していて、コンラッドよりよっぽど主役でした。

 

何よりも調査に同行していた美人の中国系科学者が完全に空気でした。おそらく中国のモデルか女優かでこの映画が中国資本で作られてるからスポンサーからぶっこまれたんでしょう。日本でいう「バイオハザード」のローラ的なポジションですね。

 

とってつけたように出演してたけどマジで空気でした。ほんとにただ画面に映ってただけ。ほぼセリフもなし。余りにもただの飾り過ぎて居心地悪そうで逆に可哀想です。どうせ出すならしっかり活かしてあげればよかったのに。

 

 

 

結局のところ本作の内容はキングコングvsサミュエル・L・ジャクソンです。馬鹿でかくて強いCGのゴリラとハリウッドが誇る演技派ゴリラのデスマッチです。サミュエルご本人の猿顔もゴリラ対決の迫力に一役買っています。サミュエルのあの狂気の目とがなりたてるように喋る演技が最高に栄える展開です。

 

それと並んで化け物軍団vs人間の戦いも見応えたっぷりです。何せ米軍1個中隊で島にやってくるので人間側のやられる頭数が多く、画的な派手さも十分です。モンスターパニック好きなら見て損はない映画でしょう。

 

ちなみに長い長いエンディングのあとにはがっつりおまけエピソードが含まれていて、どうやらハリウッド版ゴジラとこれからがっつり絡んでいくみたいですね。

 

ラドンモスラキングギドラの登場も示唆されていて、怪獣版アベンジャーズみたいなコラボが計画されているみたいです。アメコミと比べると特撮怪獣ファンの市場規模はかなり小さいと思うんですが商業的には成功が見込めてるんでしょうか。

 

とはいえ、怪獣に親しんで育ってきた日本人としてはこれからの展開が楽しみな終わり方でした。