堕落ディザイアー

ずっと家でゴロゴロしながら映画を観ていたい

後味の良い強盗サスペンス 『インサイド・マン』感想

インサイド・マン (字幕版)

2006年のクライム・サスペンス映画です。ニューヨークの銀行に顔を隠した4人組の強盗が白昼堂々と現れて従業員や客を人質にし、取り囲む警官隊と緊迫した駆け引きをくり広げます。

 

一見ごく普通の強盗事件に見えるものの、その裏では襲われた銀行の会長と一人の女性弁護士が暗躍を始めて…というお話です。

 

 

 

事件を担当するベテラン刑事をデンゼル・ワシントンが、強盗グループのリーダーをクライヴ・オーウェンが演じ、ハリウッドを代表する渋かっこいいおじさん俳優の対決が描かれます。

 

他にも裏で暗躍する女弁護士にジョディ・フォスター、秘密を抱える銀行の会長に超ベテランの名優クリストファー・プラマー、主人公の刑事の部下にキウェテル・イジョフォーと、全体的に実力派が並ぶどっしりしたキャスティングがハリウッド映画好きには美味しいです。

 

個人的には「2012」の博士役のような温厚なイメージがあったキウェテル・イジョフォーが「ケ〇の穴に靴ぶち込んでトンネル開けてやるぜ」みたいな下品なジョークを連発する粗野な刑事役をしていたのが新鮮で面白かったですね。

 

 

 

冒頭からいきなり強盗グループの襲撃が始まって、主人公の刑事のバックグラウンドなどは最小限にさっそく事件に突入します。犯人たちの襲撃シーンや警察の動き、互いの駆け引きなどの展開はこの手の強盗サスペンスの王道を辿っていきます。

 

言ってしまえば「ありがちな展開」ですが、そのひとつひとつが見せ方もテンポも洗練されていて無駄がありません。「ベタなことを丁寧にやる」という一番堅実なパターンで話が進むので飽きることなくハラハラしながら見れます。そして王道をなぞりながらもその中にこの映画だけの独自色が含まれていて(人質の使い方とか)、「ベタ」と「個性」のバランスが絶妙でした。

 

デンゼル・ワシントンが演じる刑事のキャラがかなり好きでした。うだつのあがらない刑事キャラにありがちな感情的で粗野な感じがないのが好感がもてます。あくまで冷静に頭を働かせて、刑事らしい勘の鋭さも持ち合わせてるところが頼もしかったです。

 

それに対するクライヴ・オーウェンの犯人役もまた良かったです。どちらかというと主人公タイプ、それも生真面目すぎて苦労してるタイプのヒーロー役が多い彼ですが、悪役になるとこれはこれで違う味があってかなりかっこいいです。個人的に大好きな俳優なので、彼が警察を翻弄しながら一歩も二歩もリードしていく様は見ていてニヤニヤできました。

 

 

 

いちいち巧妙な犯人グループの手際が終始印象的で、立てこもりながらの彼らの謎の行動一つ一つに色んな憶測を立てさせられますが、終盤でそれが一気にかみ合っていく展開はかなり気持ちよかったです。

 

銀行強盗ものとしては今まで見たことない手口で、「ああなるほど!」と思わせられる展開が3回くらいありました。

 

最初はあんな不穏な感じで始まったのに、まさかあんなに後味の良い結末を迎えるなんてなかなか想像できる人はいないんじゃないでしょうか。

 

この気持ちよさは映画を見て確かめてください。公開から10年以上経つ映画ですが、まだ観たことがない人は是非ネタバレを知らずに観てほしいです。