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ザ・下品なアメリカンコメディ 『パージなナイト ブラックさん家の史上最悪の12時間』感想

パージなナイト ブラックさん家の史上最悪の12時間 (字幕版)

年に一度、12時間だけあらゆる犯罪が許される『パージ法』が成立した近未来のアメリカ」を舞台にした人気ホラーアクションシリーズ『パージ』。それを徹底的に茶化し尽くしたパロディ映画がこの『パージなナイト ブラックさん家の史上最悪の12時間』です。

 

本作は『パージ』1作目のストーリーを下地に作られたパロディ映画なので、「パージ法」の内容や「パージの夜は多くの国民が年に一度の憂さ晴らしとして殺戮をくり広げる」「パージ法は富裕層が合法的にホームレスや低所得者層を虐殺するために施行した」などの世界観を観客が知ってる前提で話が進みます。未見の方はこの『パージ』1作目を見る方がいいでしょう。

パージ (字幕版)

パージ (字幕版)

 

 

 

 

さて、この『パージなナイト ブラックさん家の史上最悪の12時間』ですが、タイトルからもジャケット画像からもアホが滲み出てるのが分かるでしょう。この第一印象そのまんまの典型的なお下品アメリカンコメディでした。

 

本作で「パージ」に巻き込まれていくのは、父カール、娘のアリー、息子のジュニア、カールの再婚相手ロレーナ、カールの従弟のクローナット、計5人のブラック一家です。カールとの再婚で一家に入ったロレーナ以外は皆黒人の家系ですが、その血筋と名字の「ブラック」は偶然の一致なんだとか。

 

そんなブラック一家は父カールが大金を手にしたことから治安の悪いシカゴを離れてビバリーヒルズの豪邸に引っ越してきました。しかしカールが手に入れた大金とは、実はマフィアの友達が刑務所に入ったのをいいことにかっぱらってきた彼の財産でした。

 

「金持ちばかりのビバリーヒルズならパージの騒動は起きないだろう」と思い込んでビバリーヒルズに新居を持ったカールでしたがそれはとんでもない誤解で、実際はご近所のセレブたちもこぞって武装してパージに臨みます。

 

さらに、カールに借金やツケを踏み倒された人たちが次々にブラック家に侵入、「金を返せ」と怒り狂ってカールをパージしてしまおうと迫ってきます。そこに「自分たちの住宅地に貧民層が移り住んできたのが気に入らない」と襲ってきたご近所さんも合わさって、ブラック家はとんでもない戦いに巻き込まれていくのでした…というお話です。

 

 

 

下品寄りのアメリカン・コメディといえばモラルも人権もあったもんじゃないような差別発言や下ネタが飛び散る作風が定番ですが、この『パージなナイト』もそんなお約束の通りひたすら汚い言葉や差別発言が飛び交います。

 

ブラック家の人々も含めてとにかく人種と「ブラック」に絡めたネタが多すぎ。これだけの差別ジョークが飛び交う映画がリリースされてもOKなんてさすがは自由の国アメリカですね。

 

しかも登場人物のほとんどがアフリカ系アメリカ人ということもあって、ほとんど自虐ジョークの様相です。ですがブラックジョークじゃない普通の笑いや一応アクション映画としての見せ場、そしてテンポのいいストーリー展開もあって、観客が不快にならないギリギリのラインをうまく突いてくれます。

 

低俗でバカバカしい内容ですが、そのおかげで頭を空っぽにしてゲラゲラ笑うことができました。

 

 

 

ブラックさん家の大黒柱、カールを演じたのはマイク・エップス。映画「バイオハザード」の2作目3作目で陽気な黒人の兄ちゃん「L.J.」を演じてた俳優さんですね。今回は晴れて主演で、本作の製作総指揮も務めたんだとか。

 

他の家族の皆は見たことがない俳優陣でしたが、何気なくマイク・タイソンが出演してたのにびっくりです。しかも全くマイク・タイソンである必要がないしょうもない役で。しかもマイク・タイソンとして大きく取り上げられることもなく脇役の一人として数分で死亡。

 

あまりに扱いがしょぼいから最初気づかなくて「めちゃくちゃマイク・タイソンに似てる人いたけど誰だ…」とYahoo!映画を見たら本当にマイク・タイソンでした。ぶっちゃけこの映画で一番記憶に残るのはこの事実かもしれません。

 

 

 

マイク・タイソン以外は有名じゃない俳優ばっかりの低予算B級映画ですが、嫌味のないブラックジョークと下ネタに包まれて頭すっからかんで笑える良いコメディだったと思います。あの『パージ』がここまでバカバカしくなるなんて驚きでした。

 

ほとんど『パージ』のファンムービーみたいな映画なので、シリーズのファンなら肩の力を抜いて楽しめると思います。