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きれいにまとまるストーリー展開が魅力 『ARQ 時の牢獄』感想

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NetflixオリジナルのSF映画です。文明崩壊一歩手前の近未来、世界を支配する巨大企業とそれに対抗するレジスタンス、人類の命運を握る新エネルギー、同じ朝が繰り返されるタイムループ…といった複雑な設定を一軒家での数人の出来事のみで描きながら、最後には無駄なくきれいにまとめあげた傑作です。

 

世界を牛耳る超巨大企業からエネルギー不足の世界を救えるかもしれないある装置を盗み出した主人公は、友人の女性の家にその装置を持って逃げ込みます。ところが翌朝、企業からの追手が家の中に侵入して主人公たちを捕らえてしまいます。主人公は抵抗して殺されるものの、気がつくと朝目覚めた瞬間に時間が巻き戻っていて…というお話です。

 

 

 

死ぬ度に時間が巻き戻って、少しずつトライ&エラーをくり返しながらタイムループの真相に迫っていくいわゆる「ループもの」と呼ばれるジャンルの映画ですね。

 

この映画が一般的なループものと比べてちょっと変わってるのは、ループの輪の中に主人公以外の人間も巻き込まれていく、というところです。主人公がかくまってもらってた女性にも記憶の引継ぎが起こって、さらには主人公たちを襲いにきた刺客たちまで記憶を引き継ぎ始めます。

 

お互いに先読み合戦をくり広げながら戦う展開は、秀逸な脚本も相まって手に汗握りました。作品全体のテンポもよくて、新事実が次々に明らかになっては展開が予想外の方向に進んでいって惹きこまれっぱなしです。

 

舞台設定はかなり込み入った話なんですが、部屋のテレビに流れてるニュース映像なんかで上手く情報を観客に飲み込ませていく作りも面白かった。無闇に説明口調を使わないで世界観を理解させてくれました。

 

どんどん斜め上に進む話は最後はどうやって収拾をつけるのかと思いましたが、最後の展開までしっかり計算され尽くしてて、ラストではきれいに全ての伏線がまとまります。特に最後のワンカットが本当に秀逸。ここまで簡潔な描写で後味の良さを演出してる映画は他に見たことありません。

 

 

 

シチュエーションはごく普通の一軒家だけでかなりミニマルな映画ですが、ちょっとした小物の近未来感がしっかりした作りなんかのおかげで安っぽさは微塵も感じさせません。ハリウッド映画に何も劣らない完成度です。Netflixの本気度の高さが表れてます。

 

テンポもよくて展開も秀逸で、カタルシスがあって見終わった後の気分も良かったです。めっちゃくちゃすっきりしました。

 

Netflixオリジナルの中でもあんまり大きく取り上げられてない作品なので知名度は低いですが、無名作品のまま終わるにはもったいないほど完成度の高いループものSF映画でした。この手の作品が好きなら見ないと間違いなく損です。

 

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