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実話をもとにした災害パニックの傑作 『バーニング・オーシャン』感想

バーニング・オーシャン(字幕版)

2010年に実際に起きた原油流出事故を題材にしたパニック映画です。大量の原油が海に流出して環境汚染や漁業への影響がとんでもないことになったこの事故ですが、この映画ではその原因となった石油掘削船の爆発事故の方が大きく取り上げられてます。

 

主演はマーク・ウォールバーグ。「TED」なんかでお馴染みのハリウッドスターですね。妙に庶民感があるというか、親しみやすいキャラが魅力の俳優です。そして監督はピーター・バーグ。シリアスで派手なアクション映画に定評がある人です。本作でもその手腕で緊迫した事故現場の空気が生々しく描かれてます。

 

 

 

実話ということもあって、ストーリーは大きな意外性があるわけでもなく淡々と進んでいきます。現場の声を無視して企業の幹部が利益優先に動いた結果、安全性を無視した作業で大惨事が起きるという内容です。人間がアホほどくり返してきた失敗の典型パターンですね。

 

そしてその失敗から起きる爆発事故の凄まじさがもうとんでもないです。「ド派手」とか「大迫力」なんてもんじゃありません。素直に怖いです。背筋が寒くなる爆発描写でした。

 

時にはコメディなノリで描かれることすらある爆発シーンですが、この映画で描かれる爆発は「本当は火って怖いんだよ」ということを改めてまざまざと教えられるような描写です。間違っても笑えません。

 

そして爆発そのものだけでなく、それまでの描写もまた圧巻です。圧力メーターが異常な数値を記録して、一時的な異常だろうと思ったら泥水が噴出してきて、さらには原油までもが滲み出てきて、バルブを閉じようとしても噴出が止まらず、天然ガスが漏れ始めて、船全体の電気系統にも異常が出て、そして火花がひとつ散ったことからついに…という大爆発までの流れが恐ろしいです。

 

こういうと不謹慎ですが、災害パニック映画として描写のテンポも見せ方も完璧でした。嫌な事態が立て続けに起こってそれが誰にも制御できなくなっていく様で不安感を煽りに煽って、そこから圧倒の映像で描く大爆発…怖くならないわけがありませんね。記憶に刻み込まれる爆発です。

 

 

 

そしてそんな作品を彩るキャストもよかったです。まず、希望的観測で危ない橋をがんがん踏みわたっていく企業幹部を名優ジョン・マルコヴィッチが演じてます。癖の強い個性派俳優として知られるマルコヴィッチですが、愚かなおっさん役も似合いますね。事故の原因を作ったのは彼なんですが、お偉いさんというだけあって(悪い意味で)妙な説得力があるのがまた何とも言えません。

 

他にも現場責任者としてカート・ラッセルが出てたり、事故の最初の現場となった掘削室のリーダーとして「マイネーム・イズ・アール」のランディ役のイーサン・サプリーが出てたりと個人的に嬉しいキャスティングでした。

 

 

 

この映画を観た人は「2010年メキシコ湾原油流出事故」を忘れることはなかなかできないんじゃないでしょうか。人間が引き起こした歴史上最悪レベルの人災の記憶を世の中に刻むという意味では、この映画は大成功のノンフィクション作品だと思います。

 

映像やストーリー展開のインパクトが記憶に残るだけでなく、単純にパニック映画として面白かったです。

 

 

同時期に公開されたマーク・ウォールバーグピーター・バーグ監督タッグのノンフィクション映画としてこちらも話題になりましたね。アクションサスペンスの傑作です。

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ピーター・バーグ監督のシリアスな作風が発揮された映画としてこちらもおすすめ。この映画の爆発シーンは僕の映画人生で一番怖かったです。

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